悪性リンパ腫(原発性縦隔大細胞B細胞リンパ腫)による入院日記7

ピンクと青のあじさい

2月25日

抗がん剤投与前は病院食だと量が足りないなどと言ってサラダチキンや豆腐バーを足したりしていたが、すっかり一食なんとか完食できるというほどまで食欲が落ちてしまった。僕は元来白米が滅茶苦茶好きなのだけれども、その白米を完食するのが一番しんどかった。

 

それでもしっかり食べると体に元気が湧くのを実感する。今までも食に感謝していたつもりだけども、食べたものが原動力となって自分の体は動いてるんだなというのが身をもって体験できたのは良い経験だと思う。

 

エトポシド、ドキソルビシン、オンコビンの投与が始まってからというもの、毎日ダルいダルいと言っているけどこの日も御多分に洩れずダルい。それでも僕はプレドニンというステロイドを朝と昼に9錠も飲んでいて、そいつのおかげでだいぶ元気がブーストされているらしい。もしプレドニンを飲んでなかったらどのくらいダルくなるのだろうか…。

 

入院前に「SF核戦争後の未来・スレッズ」という映画をアマプラで見た。https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B07V2PDVGB/ref=atv_dp_share_cu_r

できちゃった婚で一緒になった夫婦が新居探して、「壁がぼろいな、よーし自分達で塗っちまうか」なんつって、そういうささやかなだけど幸せな日常も核の爆風が全部ぶっ飛ばしちゃって放射能と飢餓と絶望しかない核戦争後という地獄に放り出されていくと言う映画。ドキュメンタリーのように淡々としてるのが逆にジメッとしてて後味イヤーな感じの作品だった。

 

テレビでは各局こぞって前日発生したロシアによるウクライナ信仰について取り上げているけど、この映画の事をつい思い浮かべてしまった。 

 

 

2月26日

起床時間になり、廊下に出てみるとなんだか入院患者が三人ほど集まって窓の外を眺めている。何を見ているのか気になって僕も見てみたら、この日は良い天気でとても綺麗な朝焼けが眺めた。今日は6日間連続抗がん剤投与の最終日。それを祝してくれているみたいじゃないか。

 

さて、朝ご飯である。数日点滴をしていて、味覚障害が出てきた気がする。大好きで入院してから暇さえあれば飲んでいたコーヒーが美味しくない。苦味しか感じないのである。ご飯のおかずも酸味の強いもの、塩気の強目のものは美味しく食べれるんだけど、甘辛系のものの味がなんだかぼやけているのような気がしてあまりおいしくない。

僕が入院している病院はがんに特化した病院なんだけど、そういった抗がん剤による味覚障害のためなのか、売店に大量のご飯のおかずや、調味料が売っている。

塩分が気になるので僕は絶対に手を出さないぞ、と初めは思っていたがこの日とうとう負けてしまった。

高菜、うま塩、マヨネーズ、練り梅(これが滅茶苦茶うまい!)など色々買ってしまった…。

太るのでこれは気をつけないと